400 年以上の歴史を誇る甲州織は
機(はた)屋さん、染色屋さん、整経屋さん、
付け屋さん、整理屋さんなどの
たくさんの人の手を経て完成します。
小宮商店の代表的な「かさね」シリーズはじめ、
小宮商店の傘を作るのにかかせない甲州織の傘生地。
その傘生地のほとんどが、山梨県富士吉田周辺で、
昔と変わらぬたくさんの分業工程を経て織られています。
染色屋で織る前に糸を染めます。(先染め)
綛(かせ)と呼ばれる状態の糸の束を高圧蒸気を使用して染めます。
整経屋さんでは、染色した糸を経糸として整えます。
「かせ」状の糸をボビンに巻き取り、さらにボビンの糸を織物の幅や長さ、配列などに合わせて、ドラムに巻いていきます。
この時に均一の張力で巻き取ることが重要で、整経によって織機にセットできる状態にします。
機屋(はたや)さんでは、
先ほど整えた経糸に、
緯糸を織り込み、シャトル織機で織物に仕立て上げていきます。
最後に、整理屋さんで反物に撥水・耐水加工を行います。
こうして、今では希少となってしまった
傘専用の甲州織はたくさんの工房、
たくさんの職人達の手を経て、
やっと小宮商店に傘生地となってやってきます。
小宮商店の甲州織の中でも「和花柄」シリーズのように
裏側に柄のある生地「裏ほぐし織」の場合、上記②と③の工程の間に、
2本の経糸で仮織された生地に型屋が作った染型を使い、
捺染台で絵柄を付けていくという作業が加えられます。