小宮商店 KOMIYA SHOTEN

ものづくりをつくるモノ「天紙抜き」

こんにちは。
今回は工房から「ものづくりをつくるモノ」に焦点を当ててご案内します。

工房では加工製造担当のスタッフが日々傘作りに励んでいます。
生地を裁断・縫製し傘骨に張る、大まかにいうと仕立てに近い仕事です。
美しさと使い勝手の良さを目指し、お客様に心地よい雨の日を楽しんでいただきたいと日々精進しています。

傘を作る工程は非常に多く、一つ一つに特別な道具が存在します。
こちらにご案内するのは「天紙抜き」。

開いた時に内側から見上げると確認いただける「天紙」というパーツがあり、名前の通り天紙抜きは天紙を生地から切り抜くための抜型です。

引退した職人さんからありがたく譲り受けたもので、60年以上前に手に入れた品物とのこと。
もちろん、まだまだ現役です。

こちらの不思議な形をした物も天紙抜きには必要な道具です。
天紙を抜く際にアテとして使用するものです。
大きな木槌を振り下ろす作業にも耐えられるよう、金具でしっかりと補強されています。

傘作りに必要な道具と、その道具を使うために必要な道具。
役割がしっかりと分担され、ひとつひとつに専用の道具が存在することに昔のものづくりの器の広さを感じます。

これとこれを組み合わせてしまえばより合理的、という感覚ではなく必要なものを必要な形で都度作り出すことにも、ものづくりへの純粋さを覚えます。
きっと、それぞれの道具を作る職人さんが存在したのでしょうね。
どことなく醸し出している温かみの理由を、知ることができた気がします。

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