小宮商店 KOMIYA SHOTEN

2018.11.17傘コラム

今は「傘は骨で選ぶ」が新しい!
~傘の漢字と骨の意外な関係(後編)

傘の「名脇役」って、いったい誰?

「人=傘骨説」(~傘の漢字と骨の意外な関係(前編)~参照)が正しいと考えるならば、傘骨は、象形文字の漢字でも表されるほど、傘のパーツとして重要視されていたことになります。 傘と言えば、見た目の多くを占め、実際に雨や陽射しを防ぐ「生地」が紛れもない主役。 しかし、傘骨も「名脇役」として外せない役どころを担っていると、昔の人は考えていたのではないでしょうか。

ただし、現代の傘骨は当時と比べると、随分と進化していることは言うまでもありません。 たとえるなら、役者の数が増え、それぞれの技能も高まっているのです。

「繊維強化プラスチック」とは、なんだろう?

大きなくくりで見ると、近年、最も注目されている新しい骨が、「繊維強化プラスチック」。 これは、材質が非常に強く、その割には釣竿のようにしなやかで、おまけに軽くて錆びない、言ってみれば“いいとこ取り”の骨材料の名称です。 高級品の傘では、航空機の機体にも採用されているカーボン繊維強化プラスチック(カーボンファイバー骨)が使われ、一方、普及版の傘では、ガラス繊維強化プラスチック(グラスファイバー骨)が使用されています。

他にも傘骨の材料には、軽量のアルミ軽合金や、昔ながらの屈強なスチール(鉄)など色々あります。 加えて、骨の数もさまざま。 基本的なタイプは8本ですが、骨数を12本、16本、24本などと増やした「多間骨」(「多骨傘」ともいう)と呼ばれる傘もあるのです。

広がる傘の選択肢、買う時のポイントは?

そこで知っていただきたいのが、傘を購入する時、目的に応じて、こうした「骨の材質や数」を考慮して選ぶ方法もあること。 例えば、風や雨の中でも壊れにくい上に軽い傘がほしいなら、カーボン骨製の傘を選ぶのが一つの手。 骨数が多いほど強度は増すので、多間傘(多骨傘)も候補になるでしょう。 カーボン骨で多骨傘であれば、まさに“最強の傘”と言えるかもしれません。

また、カーボン骨の他に、丈夫で軽量な傘を求めるならば、普及品のグラスファイバー骨の傘を選ぶのも手。 「多少重くてもいいから、とにかく頑強な傘がほしい」という方は、鉄骨の傘も選択肢になります。 また最近では“おちょこになっても元に戻る”耐風構造の骨も登場し、骨のバリエーションも豊かになってきています。 従来は生地の柄やデザインで傘を選ぶことが多かったという方も、これからは、傘骨の材質や数を見て、自分の目的に合った傘を買うことも、試してみてはいかがでしょうか。

傘の漢字、中にいるのは「人」じゃない! ~傘の漢字と骨の意外な関係(前編)~

BRANDS
ブランド紹介