山崎真由子さん著『職人の手』を紹介します
皆様こんにちは。
ショップスタッフの加藤です。
今回は、東日本ショップでも販売している書籍、山崎(山へんに立の崎)真由子さん著『職人の手』の紹介をしたいと思います。
この本には、小宮商店の専属洋傘職人、小椚夫妻を含む 30~90代の16人の職人が登場し、インタビューを元にそれぞれの仕事が丁寧に紹介されています。
まず驚いたのが、普茶料理家、寄席文字書家、結桶師、床山といった職業があるということ。
そして自分の無知もさる事ながら、それぞれの世界の中にこれだけキメ細やかで繊細な技と苦労、続ける事の大変さがあるという事実。
それを知り純粋に感動しました。
どの職人にも共通して言える事が、向こう側にいる「使う人」を想像して作るということ。
決して自分の技術向上の為だけでなく、どうすれば長く使ってもらえるか、手にしたお客様がどんな顔をするか、まだ見ぬ誰かを思いやる人の真髄が、ここに登場する全ての職人の言葉から読み取れます。
その中の、小宮商店の洋傘職人、小椚夫妻の頁。
ここに登場した弟子の小林さんは、今では一人前の職人となり、美しいシルエットの傘を作っています。
そして小椚さんは今も変わらず、毎週元気に愛用の自転車に乗って傘を届けてくださっています。
小椚さんの
「私には傘づくりしかできないから。他にはなにもない。」
「自分がいい仕事をしているかどうかは職人なら誰でもわかる。それをおざなりにして、数だけを競うような死んだ仕事はしたくない」
という言葉には、何度読んでもハッとさせられます。
この夏、私も小椚さんが作った晴雨兼用傘の『伊砂文様』か、日傘の『調』が欲しくなりました。
50cm 8本骨/長傘/日傘・晴雨兼用/型絵染 ¥18,700 50cm 8本骨/折りたたみ傘/日傘・晴雨兼用/型絵染 ¥18,700伊砂文様
伊砂文様
最後に、この本を出版されたフリーランス編集者で著者の山崎さんに、職人の『手』のみならず、その仕事や言葉、生き様、日々黙々と静かに熱く、誰かの為にものを生み出し続ける職人がいるという存在そのものを、読者に見える形で紹介して下さった事に、心より感謝します。
使い込んだボイスレコーダーの写真、職人に対する溢れる想い、とても心に染みる一冊でした。
そして、私たちの大切な小椚夫妻を取り上げて下さり改めてありがとうございました。
『職人の手』は、小宮商店の店頭でも販売しています。
見本もありますので、ぜひ手に取ってご覧ください。