小宮商店 KOMIYA SHOTEN

美しい傘にするために、
大事な仕上げ作業

こんにちは。
傘職人見習いの小林です。

みなさんは「傘職人の仕事」というと、どのような作業を想像されますか?
木型を使って生地をシャーっと裁つ「裁断」。
特殊なミシンで傘カバーを縫いあげる「中縫い」。
傘骨と向き合いながら素早い手さばきで傘カバーを縫い留める「中綴じ」など…
どれも手さばきが美しい作業です。
私も先輩職人の手さばきを見ていると、その洗練された動きの美しさに感動してしまいます。
皆さんもこれらような作業をイメージされるのではないでしょうか。
※裁断した生地を縫い合わせ、骨に張る段階にしたものを「カバー」と言います。

今日はこれらの美しい作業とは違い、地味ながら大切な作業として、「仕上げ」という工程をご紹介します。
形になった傘の出来ばえを一段階上に引き上げる最終工程です。

傘づくり 小宮商店
まずは「アイロン」。
傘にアイロン?と思いましたか? 私も最初は思いました。
使うのは普通の家庭用のアイロンです。
もともと生地についていた折り目や、作業工程で生じたシワなどを丹念に伸ばしていきます。
傘は立体的で柔らかくカーブしているので、2次元のものにアイロンをかけるようにスムーズにはいきません。
左手で中棒を持ち角度を調整しながら、右手でアイロンがけ。
メンズ向けの大きな傘だと片手で角度を調整するのも一苦労です。
グイグイと力をいれてしまうと生地の表面が波打ってしまうので、力加減も大切。
きちんとアイロンがけをした傘は、ピシッとシワもなく、つやつやした表面が綺麗なカーブを描いて、「生まれたての傘」という感じになります。

傘づくり 小宮商店
シワのない状態になったら次は「たたみ」。
この時の「たたみ」がその傘の畳んだ時の形を決めます。
畳まれた時の姿が美しく、使いやすい傘にするにはとても重要な作業ですが、上手く畳めるようになるには経験が必要です。
くるくるっと巻けばいいだけのように見える長傘も、幅をきれいに揃えて、露先から石突まで一定間隔のらせんを描くように巻くのは根気がいる作業です。
生地の種類や職人によって張り方も微妙に異なるので、長く、綺麗に使っていただける傘になるように畳むのはとても難しい作業です。

折りたたみ傘 おしゃれ 日本製 小宮商店
この後にネーム・菊座・陣笠などを取り付け、作成した傘袋に納め、更にPPフィルムの袋に入れて「仕上げ」完了、となるわけです。
※傘をくるりとまとめるホックのついた紐

形にするまでも時間がかかりますが、そこから先も手間暇がかかった傘。
東日本橋ショップにお越しになった際には、ぜひそんな所もご覧になってみてください。

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