職人の想いが詰まった「ロクロ包み」
こんにちは!
傘職人見習いの中村です。
七月だと言うのになんたが肌寒く、しまい込んだ冬服から長袖の羽織を引っ張り出して、師匠の作業場へ通う日々です。
私は子供の頃からモノづくりが大好きでした。
お絵描きはもちろん、粘土遊びや折り紙に工作など、女の子らしいお人形遊びよりも、とにかく何かをひたすら作って遊んでいました。
私は字を書くのもお箸も基本は左利きなのですが、母曰く初めてハサミを持たせた時、左手で紙をうまく切ることができずとても苦戦していたそうです。
しかし、何日かすると、利き腕ではない右手で器用にスルスルと紙を切っていろんなものを作り出していて「あらっ順応性がいいのね〜」と母は驚いたそうです。
それからは、右利き用にできている刃物関係は、基本右手で使いここまで生きてきました(笑)
そして、傘作りでの針仕事はというと…
これまた右手で針を持ち作業しております。
ここまでくると何利きなのかもうわかりませんね(笑)
優しさがギュッと詰まったロクロ包み
そんな右手の針仕事で、本日は「ロクロ包み」を教えて頂きました。
ロクロ包みとは、受骨を束ねる針金(だき針)先端で、手や指のけがを防ぐために取り付けるものです。
均等に骨にくくりつけなくてはならない為、ひと針ひと針とても緊張します。
まだまだ迷いがあります。 仕上がりもまだまだですな (^-^;
ですが、おかみさんの針先は迷いが全くなく、サクサクっと気持ち良いくらいリズムを刻んで、コロッとした可愛いロクロ包みが仕上がっていきます。
このロクロ包み、作り手からの使い手さんへの優しさがギュッと詰まっています。
開け閉めの際、手が当たって痛くないように…とロクロ包みがあるとなんだかお品がいいですよね。 何より可愛いですね!
是非、お持ちの傘にロクロ包みに気がついた際は、そんな事を思い出していただけたら嬉しいです。
今日のお三時
※作業場では15:00にお茶の時間があります。
師匠と女将さんが毎回美味しいフルーツやお菓子をご用意して下さり、先輩方も一緒にみんなでワイワイと楽しいお喋りでリラックスタイム。
プルンっと可愛いすももです!
と、思ったら
おかみさんに「最近はプラムって名前で売られてるのよ〜オシャレね!」
え? すももじゃないの! そうなのよぉ〜! とお話はひと盛り上がり(笑)
なんだか名前が違うだけでちょっと見方も変わって… なんて事なく甘酸っぱくって美味しく頂きました。(笑)
毎回美味しい季節のフルーツを、ご用意してくださる師匠とおかみさんに感謝でいっぱいです!
傘職人見習い
中村真希