「中縫い」は練習あるのみ!
こんにちは。
職人見習いの田中と申します。
小宮商店で傘職人の修行を始めて早6ヶ月が経ち、今回初めてブログを書きます。
修行は基本的に毎日、東日本橋にある小宮商店の自社工房へ通いますが、月に数回ほど下町のベテラン職人さんのお宅へも伺わせていただいていて、今日は菅沢さんのお宅へ向かいました。
菅沢さんからは主に中縫い(裁断した生地をミシンで縫う工程)を教わっています。
本日は師匠の相棒のミシンをお借りして、カタカタと縫い進めていきます。
いつもニコニコ、明るくて優しい師匠ですが、傘の話、とりわけ中縫いの話となると口調に熱がこもってきます。
「中縫いは特に大事だから、たくさん練習するように!」
この言葉を毎回言われます。
はじめの頃はどうしてそんなに大事なのか、よくわかっていませんでしたが、最近自分で傘の型を作るようになってその意味がつかめてきました。
型とは、カーブのついた三角形の木型のことで、これに合わせて生地を裁断するので、ミリ単位の調整をしなければなりません。
何度もやり直しながら、やっと納得のいく型が出来ても、それに合わせて裁断した生地を縫い合わせる中縫いの工程で、針を落とす場所が1ミリ違うと、開いたときのシルエットに影響してきます。
裁断したコマを縫い合わせてつなげると、ぐるりと一周つながっているので、歪みの逃げ場がありません。
すべてのコマが均一に、狙った通りに縫えていないと、シワができたり、変に生地が余ったりしてしまうということなんですね。
この事をやっと理解できて、なるほどな~!と深く納得したものの、そう簡単にスイスイと縫えるようにはなりません。
「とにかく数をたくさん縫うこと!」
これも師匠の口癖です。
「3月までに少なくとも300は縫おう」とおっしゃるので、300“枚”ですか?と聞くと「300“本”!」とのお答え。
つまり8本骨ならコマ2400枚分ということです。
お、多い…
一人前までの道のりはまだまだ遠いようです。
がんばります。